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【右側】
致しける茨を山より切出し枝〳〵を垣にかき付る也
所〳〵に縄のかはりに牛の皮をさきたるをもて結付る
五穀なき国なれは索ふ共米なし
一八九十月の比ゟ此里の人ムチヤヘンテ〳〵と申事あり何事
かと思ひゐけるに十一月中旬比大なる納屋掛二軒出来
て其内酒店団子餅店煎たる肉店生肉店其外に
いろ〳〵あり其所の人は元来十里程も山奥より親類
【左側】
懇意物をたより出る又牛取の節の泊宿山中所々に
立並たる家守其外の村〳〵より此所へ寄集り七八日
の間大賑事致しける中に十間四方矢来を結ひ
其内に大なる犢の向額に白銀十程包にして結付置
其犢を打擲して大に怒らせ猛なるところ所へ人取懸り
右の白銀を取のりけ事致すを遊具とするもあり
酒に酔拍子を取踊るもあり又そこ爰にて博奕するも