翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

島原漂流人太吉物語 - 翻刻

島原漂流人太吉物語 - ページ 28

ページ: 28

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【右側】  なからへかいなき所なるゆへ一度は我日本へ帰朝せん  事を朝夕心に願ふのみにてたよるへき術なけれは  今日〳〵と日を送り日本人とも折々寄こそり彼是  と考へ互に歎きける事毎々也然るに兼て其所の  役人にチヨウサンと申人あり此方へ太吉毎々遊に参り  けるか日本の片カナにて外国の詞をよくさとし教へ  られける故何事も言語通し不自由なる事なし 【左側】  折節序の咄に帰国致したき事を申けれは  チヨウサン申には此所にはとても大船来る所にあらす  向に渡り居るならはチイナ《振り仮名:カントン|広東【朱】》への便船あり彼地  に渡しは又日本へ通路近しと申聞らるゝチイナ  惣名カントン唐土の内也その言葉をたのしみ居ける  にある時此カルホルニノサンホセに来りしゆへに便船をもけれは  小舟にて給物少しゆへに便船不叶と断けるゆへすへき