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【右側】
なからへかいなき所なるゆへ一度は我日本へ帰朝せん
事を朝夕心に願ふのみにてたよるへき術なけれは
今日〳〵と日を送り日本人とも折々寄こそり彼是
と考へ互に歎きける事毎々也然るに兼て其所の
役人にチヨウサンと申人あり此方へ太吉毎々遊に参り
けるか日本の片カナにて外国の詞をよくさとし教へ
られける故何事も言語通し不自由なる事なし
【左側】
折節序の咄に帰国致したき事を申けれは
チヨウサン申には此所にはとても大船来る所にあらす
向に渡り居るならはチイナ《振り仮名:カントン|広東【朱】》への便船あり彼地
に渡しは又日本へ通路近しと申聞らるゝチイナ
惣名カントン唐土の内也その言葉をたのしみ居ける
にある時此カルホルニノサンホセに来りしゆへに便船をもけれは
小舟にて給物少しゆへに便船不叶と断けるゆへすへき