翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

島原漂流人太吉物語 - 翻刻

島原漂流人太吉物語 - ページ 31

ページ: 31

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【右側】  かたなく其家を出けれは日本人を呵りとても此  所にて食を給させ置人とてはなし依て次船次第  もとのサンホセに引返すより外なしと大に呵りけれは  船頭は実以返す積りにて有けれともサンホセに  是迄居たれはとて居て益なく日本へ帰る  てだてなき地なれは跡へは返るまし一銭もたされ  とも此所て乞食しても浜辺の魚取磯せゝり 【左側】  しても居とてはせわする人も有ましき物にも  あらすと其所をうろたへあちこち迷ひ居たる所に  去寅二月二日灘舟にて酒砂糖積取し異国の  乗込ビロドと申は舟の賄人也尤至て若年也  此者にふと出合双方ゟ是はと声かけ夫より此  ビロドと互に長き物語して其後此ヒロト心よく  世話しける太吉はその所にて相応の家問屋にて