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【右側】
難風にあひ遁れかたき荒海となりしまゝに
伊豆国網代とかや申所へ跡戻り破損道具の類
夫々修覆の間暫逗留し十月六日同所出帆
同九日相模灘にて又々烈敷逆風にて此時こそ
遁ましく詮方なけれは十三人の舟子共神仏に
誓ひ髪を切祈るの外他事なし依て又しも伊豆
網代へ乗戻しそこの湊口迄乗付しに其時は
【左側】
又雨風つよくして湊へ舟乗入る事凡夫の力に
不及岩石巌々たる海手に舟吹付けなは忽ち
舟は微塵に砕け散り大海の塵ともなりなんと
すべなく今吹付んとせし時下総国成田不動尊一
難をのかるゝの順風を囉けるに御加護の順風吹出し
岸際遥に吹はなしけるに少しは心も安まり碇を
入しに綱屆かす綱三房迄繋合すれとも船