翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

島原漂流人太吉物語 - 翻刻

島原漂流人太吉物語 - ページ 7

ページ: 7

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【右側】 食する物何一粒たになけれは砂糖と酒を煮詰たる を嘗居けるかある時大なる魚一ッ脳み居たるにや海 上に浮みゐたるを鉾をもてつき留其時舟人一人 己か胴中を小綱にて結ひ元綱は舟にくゝり付海中 へ飛入大魚の胴中を小綱にて結ひ留舟人共に力を 添なんなく舟に引上け見れは鮫の大魚にて有ける此 魚日々少しつゝ酒砂糖にて煮詰たるを喰ひ間〳〵に 【左側】 魚を喰事日数あり又風凪海上静なる内は我国 にて鰹を釣糸針道具有けれはそれをもてためし餌 にて釣候鰤の魚其外の魚を釣取是も纔つゝ日〳〵の 食事にするもあり兎や角する内目に見ゆるものとても 何一ッなかりけるに十一月中頃にて有けるがふしきや日本 舟一艘是も帆柱なくして帆桁を柱にして帆を掛 日は七ッ下りと思しき頃我舟の艫尻遥に見へ隠れ