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【右側】
食する物何一粒たになけれは砂糖と酒を煮詰たる
を嘗居けるかある時大なる魚一ッ脳み居たるにや海
上に浮みゐたるを鉾をもてつき留其時舟人一人
己か胴中を小綱にて結ひ元綱は舟にくゝり付海中
へ飛入大魚の胴中を小綱にて結ひ留舟人共に力を
添なんなく舟に引上け見れは鮫の大魚にて有ける此
魚日々少しつゝ酒砂糖にて煮詰たるを喰ひ間〳〵に
【左側】
魚を喰事日数あり又風凪海上静なる内は我国
にて鰹を釣糸針道具有けれはそれをもてためし餌
にて釣候鰤の魚其外の魚を釣取是も纔つゝ日〳〵の
食事にするもあり兎や角する内目に見ゆるものとても
何一ッなかりけるに十一月中頃にて有けるがふしきや日本
舟一艘是も帆柱なくして帆桁を柱にして帆を掛
日は七ッ下りと思しき頃我舟の艫尻遥に見へ隠れ