翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

島原漂流人太吉物語 - 翻刻

島原漂流人太吉物語 - ページ 8

ページ: 8

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【右側】 なる物有けるも段〳〵と近寄るを見れは碇二ッ入 跡しさりに流るゝ迄にしてその舟少し隔り帆を おろしけるとき時に双方より喚き合ふ我舟は帆柱楫 なけれは近よる事不叶只暮けり明日あの舟より 近寄くれんと夜の明るをたのしミ相待けるに夜の 白ミたる頃見渡せは何かたへ行けん舟の影たに見へ さりける 【左側】   此舟奥州仙台の舟是も難風に吹放され帆   柱切捨漂流せり併是は米穀荷物の舟にて   我舟と違ひ粮米潤沢にて難なく其末唐土   へ漂着せしか我等ゟ二年前我舟の船頭善助と   一同に唐船より帰朝の事太吉唐土迄戻り   来りし時唐土役場にて其事を承候 扨明ても暮ても粮米なくして露命つなく事