翻刻
【右丁】
も又 蒲炙(かばやき)ともいふ
一 青未醤(あをみそ)を身(み)の方ばかりに付て程よく炙目(やきめ)
を付(つけ)たるを青袍(せいほう)侍郎(じらう)と云 山椒(さんしやう)みそよし
一 卵(たまご)を醤油(しやうゆ)にて濃(こく)とき右の骨切(ほねきり)にぬり付て
燒(やき)たるを蝋燒(らうやき)といふ
一 雲丹(うに)を酒(さけ)にてゆるめぬり付て炙(やき)たる
を朝比奈炙(あさひなやき)といふ
【左丁】
一 別(へつ)にはむをおろし骨(ほね)をより取(わり)少し塩(しほ)を
まぜ右の骨切(ほねきり)の上に盛(もり)かけ庖丁(はうてう)にて能(よく)
並(なら)し押(おさ)へて板(いた)に付たる蒲鉾(かまほこ)の如(こと)くにして
遠火(とをひ)にかけ中(なか)ゝよく火(ひ)の通(とを)るやうに炙(やく)へし
是を厚炙(あつやき)といふ大はすに切て炙(あふりもの)とす
蓼酢(たです)ためたるもよし
一右の厚炙(あつやき)を布(ぬの)に包(つゝ)みて蒸(むし)たるを幸寄生(やどりき)