翻刻
【右丁】
一おろし身(み)に塩(しほ)少し入 摺(すり)まぜ細(ほそ)き丸竹(まるたけ)に
握(にきり)り着(つけ)厚薄(あつうす)大小は遣(つか)ひ方に従(したか)ひ製(せい)す
べし但(たゝ)し餘(あま)り厚(あつ)く大なるは蒸(むす)にも炙(やく)にも
火(ひ)の通(とを)りかぬるもの也 酒(さけ)をぬり程(ほと)よく炙(あぶ)
りて竹を抜(ぬき)て輪切(わきり)にするなり是を竹(ちく)
輪(わ)かまぼこといふ眞(しん)の蒲鉾(かまほこ)是(これ)なり言(いふこゝろ)は
その形(かたち)蒲(がま)の花(はな)に似(に)又 鉾(ほこ)に似(に)たればなり
【左丁】
一右 竹輪(ちくわ)を蒸(むし)たるを白玉柱(はくきよくちう)といふ
一右 廻(まは)りに細(ほそ)き杉箸(すきばし)をもつて簀巻(すまき)の如([こ]と)く
にして藁(わら)にてくゝり蒸(むし)たるを花車(はなくるま)と
いふ大なる苞麩(つとぶ)のことし
一右 雲丹(うに)を摺(すり)ませたるを貴船菊(きぶねぎく)といふ
一 挽茶(ひきちや)をすり交(ませ)たるを香糕といふ
一 紅脂(べに)をすり交(ませ)たるを半(なかは)とり合(あは)したるを