翻刻
【右丁】
夕雲(ゆふくも)といふ
一 百草霜(なべすみ)をすりませたるを半(なかは)取合(とりあは)せたる
を村雲(むらくも)といふ
一 山梔子(くちなし)の汁(しる)を摺交(すりまぜ)たるを黄金環(わうごんくわん)といふ
一 卵(たまこ)を摺(すり)ませたるを橋柱(はしはしら)といふ
一 青(あを)とりの子をすりませたるを青海波(せいかいは)といふ
一 未醤(みそ)をすり交(まぜ)たるを驛路(ゑきろ)の鈴(すゝ)といふ
【左丁】
一 山梔子染(くちなしそめ)紅染(へにぞめ)白(しろ)と三 色(いろ)かさね合して
布(ぬの)に包(つゝ)みさつと蒸(むし)たるを夕虹(ゆふにじ)といふ
右の品(しな)薄(うす)き杉板(すぎいた)に盛(もり)《割書:かまぼこ形(なり)|或は角形(かくなり)》又は
杉折(すぎをり)に盛(もり)蒸加減(むしかげん)心得(こゝろへ)有べし切やうは
料理(りやうり)に従(したか)ひ方圓(はうゑん)長短(ちやうたん)いろ〳〵に切なり
交(まぜ)もの色付物(いろつけもの)品々 有(ある)へし考(かんが)へ製(せい)すべ
し遣(つか)ひ方(かた)荒増(あらまし)左(さ)の通(とお)り