翻刻
【右丁】
一 土器(かはらけ)を能(よく)やき置(おき)朧(おほろ)に少し味(あぢ)つけたる
を盛(もり)煮上(にへあか)りたるを食(しよく)す是を深草炙(ふかくさやき)
といふ吸口ひざんせう【注】
一 葛(くず)を水にて解(とき)その水にてすり身(み)をゆ
るめ塩(しほ)少し入て杦折(すぎおり)にてむし至極(しごく)の細(ほそ)
切にして薄(うす)ずまし吸口(すいくち)花柚(はなゆ)あるひは山椒(さんせう)
の芽(め)これを八 盃(はい)ばむといふ
【左丁】
一やき豆腐丸煮にしておぼろはむを別
に湯煮(ゆに)にして金杓子(かなしやくし)にてすくひかけ
たるを衣笠山(きぬがさやま)といふ
一八 盃(はい)はむを薄塩湯(うすしほゆ)にてさつと煮(に)茶椀(ちやわん)
に盛(もり)葛(くず)あんかけたるを白魚(しらうを)もどきと云
吸口わさび
一すり肉(み)を薯蕷(つくねいも)にてゆるめ出し汁(しる)を少し
【注 「ざ」とした字は「さ」に「゜(半濁音)」ヵ。発音は「ツァ」】