琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

琉球解語 - 翻刻

琉球解語 - ページ 18

ページ: 18

翻刻

む。とばかり有て彼娘。姿あらわにし□ひ来り。三人の 僧に問。何れも知ざる躰にもてなし戯(たはむれ)なぶりて帰らし めんとす。娘は松寿を求得ず。狂■の如く泣叫(なきさけ)び。猶も ■■を尋んと門外へ駈出れは。僧共今は心易しと。件 の鐘を追んとす其物音。山彦に■さければ女早くもかけ 戻り。髪振乱し形相変り。恋しき人は此鐘の内にこそ 有たんなれと鐘の内へぞ入にける住僧驚き緒僧と供【?】に 鐘を繞りてこれを祈る。行法の験にや。かねはおのれと 鐘楼へ上り。女は鬼女の相を現はし■を以て打かける。 僧其少しもひるま■■そ動か■しらず祈りければ一ツ天 ■にかき曇り震動雷電すさましく。女は其儘悪魔 となり松寿を掴んで走り出る。これまた一/局(□□り)【フリガナ判読できず】の狂言なり 此二事は皆百年以前。琉球国中にて有し古事也 となり。此外は皆唐土の哥舞妓狂言を興行すると なり。又日本の猿楽をも伝へ舞囃子なとをも興 行す義太夫節を■好み芦茢などの節事を能覚へ て語るとなり    ○書法 書法は。日本の大橋流玉置流をもちゆ片仮名平仮名 は国中の貴賤おしなべて通用す。薩州藩中へ徃来の 書翰何れも竪状■状にて一筆啓上の文躰を用ゆ 書する時桌に倚ず左手に紙を持/懸腕(ちうだめ)にして書 事日本と同し    ○宗派 此国の僧。入唐して法を伝ゆる事をゆるさす薩州へ 来りて法を学ぶ。衣は朱黄(かば)色を着す袈裟の外に 一衣を袚す。其制背心の如し。断俗と名つく。帽子 は。清人の笠帽の如し氊を以て作るとなり。宗旨は 臨済宗(りんさいしう)と真言のみなりと中山伝信録に見へたり    ○耕作 田地は。九月十月の間に耕し種蒔十月十一月のころ 緑穂(さなへ)水を出れば。日和を見合せ本田に移し植 此□□雨時に行はれ雷声発し。蚯蚓鳴て。気候 あたかも春の如し。夫より翌年に至り。春耘(はるくさぎり)夏五月 穫収(かりおさ)む。《割書:其跡へすぐさま麦を■つけ|年□内に苅納るとなり》六月に至れは大颶(おゝかぜ)しば〳〵 作り海雨(ゆうだち)■■し。果実(くだもの)皆落るにより。穫納を■■