翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

広益秘事大全 3巻. [3] - 翻刻

広益秘事大全 3巻. [3] - ページ 11

ページ: 11

翻刻

【枠外】 広益秘事大全 【右丁頭書】 にてとむるなり ○紅染(べにそめ)の法は湯(ゆ)をよきほど にとりて紅(べに)をときその中へつ けおくべし少しばかり間(ま)を置 酢(す)を少しくはへ又しばらくつけ ておけばよくそまる也 ○渋染(しぶぞめ)の法 生渋(きしぶ)一升に水九 升いれたらひにてよくまぜ 生布(きぬの)にてもさらしにても水にて 粘気(のりけ)をおとし右の渋水(しぶみづ)へつけ よくもみ合せ棹(さを)にかけその下 に渋水(しぶみづ)の入たるたらひをおきて 布(ぬの)をしぼらず干して幾度(いくたび)も 渋水の盡(つく)るまでそめてほす べし渋色(しぶいろ)むらなくよくそ まるなり ○藍(あゐ)ぞめは辛灰(からはひ)に蜆殻(しゞみから)の灰(はひ) 【左丁頭書】 少しくはへて灰汁(あく)にたれて 用ゆれば色 至(いた)つてよろし 辛灰(からはひ)とは橿(かし)柞(はゝそ)などの生枝(なまえだ)を やきたる灰(はひ)の事也 ○まがひ紅(もみ)は蘓木(すはう)一■【百ヵ】匁 黄(き) 蘗(わだ)二両 松脂(まつやに)二両ひとつにして せんじ用ゆれば本も■【みヵ】の色(いろ)に なるなり其汁四十匁にかりやす 十匁ずみ四十匁みやうばん三匁 をあはせて水二升いれよく〳〵 せんじ幾度(いくたび)もよくそめほして 後こしきにいれてむすときは 本もみのことく染(そめ)あがる也 ○紺屋糊(こんやのり)を作(つく)る法 糯米(もちごめ)を よくしらげて一升少しも滓(かす)の なきやうに細末(さいまつ)にし蠣(かき)のはひ 二匁二分入れよくまぜて後 【右丁本文】  ○月水(ぐわつすい)【「つきおもの」左ルビ】のめぐりわろき薬 一 茗荷(みやうが)の根(ね)をきざみて水にてせんじ酒 少しいれて空腹(すきはら)にのむべしまた阿膠(あきやう)の 末(こ)を一匁酒にてのむもよし  ○同久しく通(つう)ぜず腹(はら)はりたる時の薬 一 白碁(はくばん)蛇床子(じやしやうし)細末(さいまつ)にして醋(す)にて糊(のり)をとき むくろうじの大さに丸(まる)め紅(べに)を衣(ころも)にかけ絹(きぬ)に 包(つゝ)みて陰門(いんもん)の中へ入べしあつきやうに覚(おぼゆ)る 時取かへてよし又方 唐胡麻(たうごま)一味 細末(さいまつ)にして足(あし)のうらにはりおく 時は早速(さつそく)くだる事妙なり  ○同月水をのばす方 一 婦人(をんな)は時によりて月水(ぐわつすゐ)を延(のば)さねばならぬ 【左丁本文】 事あるものなり其時は唐胡麻(からごま)を細末(さいまつ)にし て頭(かしら)の百会(ひやくゑ)《割書:あたまの|まん中也》にはりおく時はいつまでも 月水のびること妙なりいつにても取捨(とりすつ)る時は 直(すぐ)に月水くだるなり但(たゞ)し房事(はうじ)【「カノコト」左ルビ】をいむべし  ○月水したゞりて止(やま)ざるを治(ぢ)する薬 一月水 多(おほ)く出て止(やま)ざるには阿膠(あきやう)の黒(くろ)やきを 壱匁づゝ酒(さけ)にてのむべし又 乱髪(おちがみ)の黒焼(くろやき)も よし又 多(おほ)く出 過(すぐ)るを崩血(ほうけつ)といふ熟(じゆく)したる 糸瓜(へちま)としゆろの皮(かは)と等分(とうぶん)黒焼にして酒また 塩湯(しほゆ)にて用ゆべし血(ち)の塊(かたまり)の出るには貫衆(きじのを) 炒(いり)て粉(こ)となし酢(す)にてのみてよし  ○つはり病の薬 一 妊娠(にんしん)二三ヶ月のころ気色(きしよく)わろく不食(ふしよく)し 【枠外】 広益秘事大全        五十九