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【枠外】
広益秘事大全
【右丁頭書】
○雨後(うご)に天くもりてもたゞ
一星(いつせい)見ゆればその夜かならず
はれて明日も天気(てんき)よし
又 星(ほし)の光(ひかり)きら〳〵として定(さだ)
まらざるは風又は雨也 夏夜(なつのよ)
星おほきは明日あつし
○久雨(きうう)の時 暮(くれ)かた俄(にはか)に雨 止(やみ)
雲ひらき満天(まんてん)星(ほし)みゆるは
其夜(そのよ)に天気あしくなり明日
はかならず雨ふる星(ほし)つねよ
り大に見ゆるは雨なり
○日の暈(かさ)は雨ふる兆(きざし)なり但(たゞ)し
朝日(あさひ)にかさありてやうやくに
さゆるときは晴なり
○日の暈(かさ)青(あを)く赤(あか)きは大風
赤きは旱(ひでり)白きは風雨 黒(くろ)きは
大水 紫(むらさき)は大旱なり
【左丁頭書】
○月の暈(かさ)は雨 黒気(こくき)あるも雨
しかれども春霞(はるがすみ)花曇(はなくもり)など
いふことのあればたとひ暈(かさ)あり
ても雨ふらざる事あり
○月のかさは必(かなら)ず中天(なかぞら)にある
時なり十五日の前後(ぜんご)七八日よ
り廿ニ三日の間に有て月の
はじめをはりにはなし月のか
さ一方かけたるは風なり忽(たちま)ち
に消去(きえさ)るは晴なりおよそ暈(かさ)は
其所によりてこれあり世上(せじやう)一
時にはなきものなり
○七八月の比(ころ)大風(おほかぜ)ふかんとては
かならず虹(にじ)のごとくにして切(きれ)たる
雲たつこれを颶母(ばいも)といふ
○冬(ふゆ)日くれて風 和(やは)らかになる時は
明朝(みやうてう)又風はげしくなる
【右丁本文】
○魚毒(ぎよどく)を消(け)す法
一 橄欖(かんらん)といふ木を用(もち)ひて即効(そくこう)あり唐(から)にて
舟(ふね)の梶(かぢ)につくる木なり渡海(とかい)する時 毒魚(どくぎよ)の類
もしこれにかゝり触(ふる)るときは魚(うを)消失(きえうす)るといへり
又 魚鳥(ぎよてう)の骨(ほね)肉(にく)にたちたるには梅干(むめぼし)を煮(に)たゞ
らし其汁(そのしる)にて象牙(ざうげ)の粉(こ)をねりてあつく
付てよし
○喉(のど)に物のたちたるを治する法
一 宿砂(しゆくしや)《割書:大》 一 甘草(かんさう)《割書:小》 此(この)二味(にみ)を煎じ
用れば何のとげにてもぬける事妙なり
一 喉(のど)腫(はれ)痛(いた)むには糸瓜(へちま)の黒焼(くろやき)を酒にて用ゐ
てよし若(もし)酒(さけ)きらひの人は白湯(さゆ)にてもよし
又 喉(のど)に物(もの)出来(でき)たるにはほうせん花(くは)の実(み)を吞(のみ)て
【左丁本文】
よし治(ち)する事妙なり
○瘧(おこり)の呪術(まじなひ)
瘧(おこり)は呪術(まじなひ)の尤(もつとも)験(しるし)あるものなり疑(うたが)ふべからず
一方 【鬼の字3個】かくのごとく紙(かみ)に書(かき)つけ早天(さうてん)に井(ゐ)
の水(みづ)を汲上(くみあ)げアビラウンケンソハカと三遍(さんべん)唱(とな)
へその水にて吞(のみ)てよし又方
一葉(いちえう)のおつるは舟(ふね)のおこりかな
といふ事を何遍(なんべん)もかきその上へかき〳〵して符と
なし朝(あさ)人(ひと)のいまだ汲(くま)ざる井水(ゐのみづ)にていたゞか
すればおつる事妙也
○同妙薬
一 巴旦杏(はだんきやう)【「アメンドウス」左ルビ】《割書:壱匁》 一 甘草(かんざう)《割書:壱分》
右二味を刻(きざ)みおこり日の朝 早天(さうてん)に人の汲(くま)ざる水
【枠外】
広益秘事大全 七十九