翻刻!料理本の世界

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西洋/料理新書 - 翻刻

西洋/料理新書 - ページ 15

ページ: 15

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といふの語(ご)にては其(その)意旨(いし)を尽(つく)すこと能(あたは)ず 然(しか)れども世上(せしやう)吾輩(わがはい)一般(いつぱん)に称(とな)ふる所(ところ)はこれ を腐敗(ふはい)といふ又(また)物(もの)の腐敗(ふはい)するは皆(みな)一様(いちやう)な れども諸物(しよぶつ)各(おの〳〵)其(その)体質(ていしつ)の組織(くみたち)を異(こと)にする故(ゆへ) に其(その)腐敗(ふはい)する態(すがた)も亦(また)甚(はなはだ)殊異(さま〴〵)なり即(すなわち)同一(どういつ)の 物品(ぶつひん)に於(おい)ては化学上(くわがくじやう)に説(と)く所(ところ)の経過(けいくわ)順次(じゆんじ) は入交(いりまじ)り混雑(こんざつ)するが如(こと)し然(しか)れども其(その)次第(しだい) は甚(はなはだ)整々(そろひ)たり  按(あん)ずるに次第(しだい)の整々(せい〳〵)として経過(けいくわ)混雑(こんざつ)す  といふはたとへば米(こめ)の腐敗(ふはい)の如(こと)き先(まづ)醴(れい)  となる時(とき)には甘(あま)く次(つひ)で酒(さけ)となる時(とき)は酔(ゑ)  はしむる物(もの)に変(へん)じ次(つぎに)醋(す)となる時(とき)には其(その)  味(あじはい)酸(す)く次(つぎ)に腐敗(ふはい)する時(とき)は食用(しよくよう)に適(てき)せず  其(その)順(じゆん)の正(ただ)しく屢(しば〳〵)変(へん)ずるを云(いふ)ふなり 化学上(くわがくしやう)の定則(ていそく)を以(もつて)論(ろん)ずれば所謂(いはいる)酒醸(しゆじやう)酸醸(さんじやう) も亦(また)其(その)腐敗(ふはい)経過(けいくわ)の内(うち)にあり然(しか)れどもこれ 一(いつ)には其(その)経過(けいくわ)の際(あいだ)各(おの〳〵)其(その)物品(ぶつひん)に固有(もちまへ)の状態(ありさま) あり一(いつ)には取分(とりわけ)け其(その)経過(けいくわ)よりして成(な)れる