翻刻
至(し)四十五分(しじふこふん)時間(じかん)許(はかり)温湯(おんたう)に浸(ひた)せば輒(すなはち)従前(じうぜん)の
形(かたち)に復(ふく)して全然(せんぜん)異(ことな)ることなくこれを烹(に)る
ことも亦(また)常法(じやうはふ)にして殆(ほと)んど新鮮(しんせん)なる者(もの)を
食(くら)ふの眞(しん)に逼(せま)ると云(いふ)馬鈴薯(ばれいしよ)を截(きつ)て細薄(さいはく)の
円板形(ゑんはんけい)と為(な)しこれを乾(かわ)かして鉄葉筒(てつえふとう)に盛(も)
り鑞(らふ)を鎔(と)かしてこれを固封(こほう)して販売(はんはい)すこ
れ亦(また)マッソン氏(し)の創製(さうせい)なり右(みき)の改正(かいせい)ありしに
より舩中(せんちう)食物(しよくもつ)の貯法(ちよはふ)を便(べん)にし殊(こと)に其(その)容積(ようせき)
を領(りやう)するの縮小(しゆくせう)なるに妙(めう)なり
穀物(こくもつ)の磨粉(まふん)は通常(つうじやう)の如(ごと)くこれを湿(うるほ)して粉(ふん)
と為(な)せる者(もの)は殊(こと)にこれを桶内(とうない)に密積(みつせき)し頓(お)
けば腐敗(ふはい)すべし永(なか)くこれを貯(たくは)へて其(その)腐敗(ふはい)
を防(ふせ)ぐには当初(たうしよ)これを磨粉(まふん)するの時(とき)湿(しめ)さ
ずしてこれを磨(ま)すべし且(かつ)力(つと)めてこれを乾(かん)
燥(さう)の態(たい)にて貯(たくは)へ厳(げん)に湿気(しふき)を防(ふせ)ぐべし又(また)完(ぐわん)
穀(こく)及(およ)び一切(いつさい)の種子(しゆし)は十分(しふぶん)乾燥(かんさう)にしてこれ
を貯(たくは)ふればたとひ其(その)萌芽(ほうが)甲析(かうせき)の性(せい)は漸徐(ぜんじよ)
としてこれを失(うしな)ふと雖(いへども)毫(がう)も腐敗(ふはい)に趣(をもむ)くこ