翻刻
となし
余(よ)尚(なを)他(た)の一術(いちしゆつ)を掲(かヽ)ぐべしこれガイルボル
デン氏(し)の創製(さうせい)に出(い)で甚(はなはた)便利(べんり)なる法(はふ)なり即(すなはち)
肉製乾烘蒸餅(にくせいかんこうじようべい)なり肉汁(にくじふ)を煎熬蒸騰(せんがうじようとう)して極(きは)
めて稠厚(ちうこう)ならしめ麺粉(めんふん)を投(たう)じてこれに和(くわ)
し以(もつて)方餅(はうべい)を作(つく)りこれを烘(や)くなりこれを製(せい)
するの工作場(こうさくじやう)はテキサス州(しう)《割書:亜墨利加合衆(あめりかがふしう)|国(こく)の一 州(しう)なり》
のカルヘストン府(ふ)に其(その)発明者(はつめいしや)の建造(けんざう)せる
者(もの)あり即(すなはち)此地(このち)に広大(くわうたい)なる牧場(ぼくじやう)ありて無数(むすう)
の牛羊(ぎうやう)を畜(か)ひ其(その)用(よう)に供(きやう)す亦(また)甚(はなはた)廉価(れんか)なりホ
ーヘンヘーム《割書:地|名》のシーメンス氏(し)亦(また)これを
祖(そ)として一法(いつはふ)を試験(しけん)し幸(さひはい)に一(いつ)の良法(りやうはふ)を得(ゑ)
たり則(すなはち)六(ろく)ポンド《割書:和蘭量(わらんりやう)我(わが)一貫(いつくわん)|五百九十六匁(こひやくくしうろくもんめ)》の牛肉(きうにく)を煎(せん)
熬(がう)して一罕半(いつかんはん)《割書:和蘭量(わらんりやう)我(わか)八(はち)|合(がふ)二勺(にしやく)五撮(こさい)》の肉汁(にくじふ)を採(と)り放(はう)
冷(れい)して其(その)上面(じやうめん)に浮(うか)ぶ所(ところ)の脂肪(しはう)を扚(すく)ひ去(さ)り
再(ふたヽ)び煎熬蒸騰(せんがうじようとう)して一(いつ)ピンチー《割書:我(わか)三合(さんがふ)|三勺(さんしやく)也(なり)》に至(いた)
り熱(ねつ)に乗(じやう)じて三(さん)ポンド《割書:我(わか)七百(しちひやく)九(く)| 十八匁(しうはちもんめ)》の精磨(せいま)せ
る豌豆粉(えんどうふん)を投(とう)じ団餅(だんべい)と為(な)してこれを竈中(さうちう)