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に右(みき)の肉汁(にくじふ)を加(くは)へ注(そヽ)ぐへし魚類(ぎよるい)たとへば
鰶魚(さいぎよ)【左ルビ「コノシロ」】の如(こと)きは海塩(かいえん)を以(もつて)これを漬(し)するなり
則(すなはち)先(ま)づ其(その)腸(ちやう)を抜(ぬ)き去(さ)り洗浄(せんじやう)して後(のち)二十四(にしうし)
時間(じかん)塩水(えんすい)に浸(ひた)し其後(そののち)遂(つい)にこれを桶(おけ)に充(みつ)る
なり菓実(くわしつ)野菜類(やさいるい)の塩蔵(えんざう)は家常(かじやう)の為(な)す所(ところ)な
れば別(べつ)にこれが論説(ろんせつ)を贅(ぜい)せず
食塩(しよくえん)に代(か)ゆるに更(さら)に他(た)の塩類(ゑんるい)を用(もち)ゆるこ
とあり然(しか)れども硝石(せうせき)を除(のぞ)くの外(ほか)は其(その)味(あじは)ひ
を変(へん)すると以(もつて)多(おほ)くは用(もち)ゆることなく唯(たヾ)硝(せう)
石(せき)は塩蔵(えんざう)の時(とき)僅(わずか)加味(かみ)することあるのみ防(ばう)
腐(ふ)の力(ちから)強猛(きやうまう)なる塩類(えんるい)は明礬(みやうばん)及(およ)び硫酸(りうさん)ケレ
イ土(と)なり則(すなはち)これを煎熬(せんがう)して稠厚(てうかう)ならしめ
以(もつて)これを飽和(はうくわ)せる溶液(ようゑき)は屍(かばね)を浸(ひた)し貯(たくは)へ或(あるひ)
は解剖学(かいぼうがく)に於(おい)て屍(かばね)の一部(いちぶ)を貯蔵(ちよざう)するに方(あたり)
て酒精(しゆせい)に代用(だいよう)する所(ところ)なり然(しか)れども解剖刀(かいぼうたう)
及(およ)ひ他(た)の鋼鉄(かうてつ)の器械(きかい)に害(がい)あり
乙 酒精(しゆせい)浸(ひた)し 是(これ)則(すなはち)諸種(しよしゆ)の菓実(くわしつ)を貯(たくは)へて非(ひ)
時(じ)の用(よう)に供(きよう)するなり