翻刻
して用(もち)ゆるなりキュルクの栓(せん)を用(もち)ゆるに方(あたり)
てこの鉄葉(てつえふ)を栓(せん)と共(とも)に瓶口(へいこう)に栓定(せんてい)するな
り筧(けん)は玻瓈瓶口(はりへいこう)にあるを以(もつ)て後(のち)にこれを
煮(に)るとき瓶中(へいちう)の流質(りうしつ)これよりして蒸散(しようさん)す
ることを得(ゑ)て瓶(へい)の破(わ)るゝことなし
貯(たくはへ)んと欲(ほつ)する野菜(やさい)肉類(にくるい)は烹治(はうち)せずして其(その)
天然(てんねん)に任(まか)せて何時(なんとき)にても力所及(なるだけ)新鮮(しんせん)に保(たも)
たしむべく又(また)烹治(はうち)したる者(もの)もこれを貯(たくは)へ
て敗(やぶ)れざらしむべし右(みぎ)の両様(りやうやう)の内(うち)烹(に)て貯(たくはゆ)
るを更(さら)に良(よ)しとす間隙(かんげき)を填充(てんじう)するに或(あるひ)は
其(その)烹(に)たる汁(しる)を用(もち)ひ或(あるひ)は塩水(えんすい)を以(もつて)す瓶(へい)を釜(ふ)
中(ちう)に置(お)くには深(ふか)きこと十分(じふぶん)なる釜(かま)に許多(きよた)
の孔(あな)を穿(うが)ちたる木(き)の隔板(かくはん)を置(お)き釜中(ふちう)には
水(みづ)と食塩(しよくえん)と砂糖(さたう)とを舎利別(しやりへつ)の如(ごと)くに混和(こんくわ)
せる者(もの)を注(そゝ)ぎ列氏(れし)の八十六度半(はちじふろくどはん)の火度(くわど)を
以(もつて)煮(に)るべし混和(こんくわ)の重量(ちようりやう)は水(みづ)十二(じふに)塩糖(えんたう)各々(かく〳〵)
二(に)なり
右(みぎ)の沸湯中(ふつたうちう)に充実(じうじつ)せる玻瓈瓶(はりへい)を置(お)くこと