翻刻
大抵(たいてい)半時(はんじ)にしてキュルクを以(もつて)栓定(せんてい)すこれに
用(もち)ゆるのキュルクは上好(じやうかう)にして木質(ぼくしつ)の実塞(じつそく)
せる品(しな)を撰(えら)び用(もち)ゆべし栓定(せんてい)の後(のち)は溶蝋中(ようらふちう)
に没(ぼつ)して毫厘(かうりん)の気も通(つう)ずることなからし
むべし今(いま)瓶(へい)を沸湯中(ふつたうちう)に置(お)けば没在(ぼつざい)するの
間(あひだ)瓶中(へいちう)に充塞(じうそく)する食品(しよくひん)より昇発(しようはつ)するの蒸(じよう)
気(き)線形(せんけい)を為(な)して絶(た)へず流洩(りうえい)し去(さ)る其時(そのとき)速(すみやか)
に湯中(たうちう)より出(いだ)し直(たヾち)に塞栓榨具下(そくせんさぐか)に致(いた)し鉄(てつ)
葉筧(ゑふけん)を抜(ぬ)き去(さ)り強(つよ)く瓶口内(へいこうない)に圧入(あつにふ)し然(しか)る
後(のち)漸々(ぜん〳〵)これを放冷(はうれい)すべし
肉羹(にくかう)を貯(たくは)ふるにも右(みぎ)の法(はふ)を用(もち)ゆべし然(しか)れ
どもこれには瓶口(へいこう)の闊大(くわつたい)なる者(もの)を用(もち)ひざ
るべからず然(しか)れはこれを塞(ふさ)ぐに巨大(きよだい)のキュ
ルクを要(やう)すべし然(しか)るに此(かく)の如(こと)き巨大(きよだい)の品(しな)
を得(う)ること難(かた)し
卵(たまご)を貯(たくは)ふるに諸方(しよはう)あり皆(みな)外気(ぐわいき)の侵入(しんにふ)を拒(きよ)
絶(ぜつ)するの方(はう)に外(ほか)ならず是(こ)れ卵殻(らんこく)は無数(むすう)の
気孔(きこう)あるや以(もつて)外気(くわいき)これよりして侵入(しんにふ)し其(その)