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貯水(ちよすい) 水(みづ)を木桶内(ぼくとうない)に貯(たくは)ふれば臭(しう)を発(はつ)し易(やす)
し其(その)臭(か)を発(はつ)するの因(いん)は始終(ししう)木材(ぼくさい)に㴠漸(かんぜん)す
るに由(よ)り漸(やうや)く材中(さいちう)含(ふく)む所(ところ)の粤畿斯様分(ゑきすやふぶん)を
溶解(ようかい)し遂(つい)に腐敗(ふはい)に至(いた)らしむるなりプレフ
トル氏(し)の実験(じつけん)に拠(よ)れば諸水中(しよすいちう)ギプス分(ぶん)を
含(ふく)むの種類(しゆるい)多(おほ)し此分(このぶん)自(おのすか)ら離解(りかい)して硫水素(りうすいそ)
を生(しやう)じ遂(つい)に水(みづ)をして全敗(せんぱい)せしむるなり
水(みづ)を木桶内(ぼくとうない)に永(なが)く貯(たくは)ふれば久(ひさ)しきに堪(た)へ
難(がた)し故(ゆへ)に近来(きんらい)に至(いた)りては船中(せんちう)の水(みづ)を貯(たくは)ふ
るに始(はじめ)て鉄葉桶内(てつえふとうない)に於(おい)てする事(こと)を称(しよう)せり
これ亦(また)漸(やうや)く鏽(さび)を生(しやう)じて敗(やぶ)れざるにあらず
と雖(いへども)木桶(ぼくとう)より永久(えいきう)なるべし唯(たヾ)其(その)費(ついへ)の貴(たつと)き
を厭(いと)ふのみ
木炭(ぼくたん)は防腐力(ばうふりよく)あり且(かつ)其(その)瓦斯類(がするい)は臭気(しうき)を吸(きう)
収(しう)するの性(せい)あり則(すなはち)此(こ)の性(せい)あるに基(もとづ)き桶内(とうない)
を炭化(たんくわ)してこれを貯(たくは)へたる水(みづ)は殆(ほと)んど久(ひさ)
しきに堪(た)ゆ然(しか)れとも桶内(とうない)炭化(たんくわ)を僅(はづ)かに薄(うす)
き一層(いつそう)をなすのみなれば其(その)粤畿斯分(ゑきすふん)に接(せつ)