翻刻
易(やす)からず且(かつ)註文(ちうふん)を細書(さいしよ)すれば字形(じけい)甚(はなはだ)
小(せう)にして剞劂(きけつ)に苦(くるし)む故(ゆへ)に其(その)名目語(みやうもくご)の
分(ぶん)のみを巻首(けんしゆ)に附す大抵(たいてい)本文(ほんふん)に出(いづ)る
の序次(じよし)を追(おひ)たれば時々(じ〳〵)これを探(さぐり)て其(その)
解(かい)に供(きよう)すべし
化学(くわがく) 一(いつ)に舎密学(セーミがく)と名(なづ)く一切(いつさい)の物質(ものヽきじ)を分(わか)
ち考(かんが)ふるの学問(がくもん)なりたとへば真鍮(しんちう)を
分(わ)かてば銅(あかヾね)と亜鉛(とたん)との両品(りやうひん)と成(な)ると
云(い)ふの類(るい)なり此等(これら)は皆(みな)人(ひと)の能(よ)く知(し)る
所(ところ)なれども水(みづ)を分(わけ)ては酸素(さんそ)と水素(すいそ)な
る両様(りやうやう)の空気(くうき)となるの類(るい)は知(し)らざる
人(ひと)多(おほ)し能(よ)くこゝに注意(ちうい)すべし
酒醸酸醸(しゆじやうさんじやう) 動物(どうぶつ)植物(しよくぶつ)皆(みな)其(その)生(せい)を失(うしな)ふ時(とき)は其(その)
集合(しふがふ)せる組織(そしよく)分解(ぶんかい)して再(ふたゝ)び元質(げんしつ)に帰(き)
すに至(いたり)てはこれを腐敗(ふばい)と名(なづ)く然(しか)るに
此(この)腐敗(ふはい)に至(いた)ること一頓(いつとん)ならずして恰(あたか)
も階(かい)を登(のぼ)るが如(ごと)し則(すなわち)第一(だいいち)に糖醸(たうじやう)と云(い)