翻刻
蓋(ふた)はせずしてこしきへ入/蒸(むし)申候。此はたに右の
柚のふたを入てむす也。出た□に蓋をして出す
是は茶碗(ちやわん)もの。又/中平(ちうびら)にのせて肴(さかな)に出す。この
仕かたかげんものなり
魚類(ぎよるい)柚釜むしの仕かた
一これも前(まへ)に同じ。魚(うを)は何にても見合に入候。または
貝(かい)るいもよし。是ははむのすりみを和(やは)らかにすり
のべ。醤油か。焼(やき)しほにてかげんする也。又/鳥(とり)るい
にても一だんのさかなものなり。
柚釜とろゝの仕かた
一/是(これ)も右のごとく柚を釜(かま)に切。能(よく)々/中(なか)をすきとり
しばらくあたゝめ酒に漬(つけ)をき。取あげせいろう
にてむす也。但しうつぶせてむす也。扨山の芋(いも)を
すまし汁(しる)にて。とろゝにする也。但し芋(いも)をすり候
まへに。生栗(なまくり)を三つ四つほど。わさびをろしにて
をろし。すり鉢(ばち)にてすりて。あとより芋を入て
よく〳〵すり合せ申候。但し右のすまし汁を少し
づゝさしよくすりて。摺(すり)ばちを炭火(すみび)にかけて