翻刻
扨右のむしたる釜(かま)を茶(ちや)わんにうつぶせに入れて
上(うへ)へとろゝをかけ。茶わんのふたをとりて出すなり
但ちやわんも。蓋(ふた)も煮湯(にへゆ)へ漬(つけ)をきて。右のごとく
するなり。さめてはかげんのあしく候。右柚釜ともに
喰(くう)なり。これは手取(てとり)さかなにてかたし
柚まんぢうの仕かた
一是も右のごとく中(なか)をとり。しばらく水へ漬をき
取あげ雫(しづく)をたらして。上々の漆米(うるこめ)の粉(こ)と。上々の
葛(くず)とを調(とゝの)へをき。白あんのまんぢうの。あんの
沢山(たくさん)なるをとゝのへ。二つ合(あは)せて柚釜へ入れ。さて
はたまはりには。右米のこと葛こをつめるなり
まんぢうは【饅頭の図】此ごとくに合せて入る也。扨/蒸籠(せいろう)
にてむし。よく〳〵さまして。小口切にして。取肴
台引(だいひき)。其外いろ〳〵けひかたあり。但し柚釜の
蓋(ふた)は二寸ほども上(あが)るくらいにして。ごまの油にて
能々あげてけふ也。まんぢうは柚の切口より立(たて)に入る
巻(まき)柚の仕方
一大柚を二つに割(わり)。中の実(み)もあま皮(かは)の白(しろ)き所も