翻刻
右の柚(ゆ)みそを出だし。粉(こ)を ふりかけ。うどんをうつ
ごとく。すり木(ぎ)にてうすく打(うち)のばし。扨切かたはなに
なりとも。思ひ付次第(しだい)に花にても何にても切りて
けしつぶをふりかけて。むしてひ蒸して日に干(ほす)なり。又 色(いろ)ざし
もよろしく候。これはすり合のときに。何なりともそめ
汁(しる)を入申候。赤(あか)はしやうゑんじを入《割書:これはしょうえんじを|しぼる湯に酒少し入る也》
青(あを)はすぐりの粉(こ)。黒(くろ)はなべすみ。黄(き)色はくちなしの
汁(しる)なり。右のごとくすれば。花柚干三十色ほどは此
うちにて出来(でき)候
高野薬柚干(こうやくすりゆびし)の仕方
一是も右の通りに柚柚に米(こめ)の粉(こ)を入るに。これは寒(かん)
ざらしの粉(こ)を入る也。外(ほか)の二色は右に同し扨よく
すりて此中へ醤油(しやうゆう)を二盃(はい)入る。是はむし候せつに
此柚みそをふくか。長ふりにしてみそ豆の能煮(よくに)
たるをあつ〵を。ぐるりとまぶし杉(すぎ)のはのつとを
こしらへ。此中へ右豆ともに入。釜(かま)の上(うへ)へ釣置(つりをく)
凡十四五日ほどして。取をろし中の豆をそろ
〵とはなしとりさり。扨柚みそは堅(かた)く成候へは