翻刻
ため。別(べつ)してはら中に丸寝(まるね)しても。此めしを喰
する人は病いづる事なし。又こんきの薬なり
をこりには大妙薬也。又/眼(がん)病のくすり。其外
いろ〳〵効能あれどもあら〳〵しるすのみ
柚かんの事
一寒中大雪の降(ふる)前々には。殊の外ひゆる也
此時大柚を一つ。水にてあらひ丸ながら《割書:但し刃(は)ものは|いむなり》
手にて割/喰(しよく)する也。但し種(たね)は去るべし。うちの
白皮(あまかは)はさし合なし。朝夕一つづゝ喰する人は。いか
ほどかんじ候ても。身うちより汗(あせ)出るなり。これは
五臓(ござう)六腑(ろくふ)をおぎなひ。内をあたゝめる事は人に
よく知(し)る所也。本草(ほんさう)綱目(かうもく)にくはしく見たり
柚(ゆう)煮(に)湯(とう)仕方
一大きなる柚を二つほど木取にして《割書:但し水にて|あらふべからず》
釜の下へほりくべ。ぐるりの焦(こげ)たる時。水五合に生(なま)
塩壱合入るなり。此中へ右の焼(やけ)たる柚をつけて
そろ〳〵とあらひ。新(あたら)しき茶袋に入て。扨釜に
水を七合ほど入。此中へ入。四合か。三合半に煎(せん)じ