伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(四・中) - 翻刻

藩翰譜(四・中) - ページ 13

ページ: 13

翻刻

【右丁】 かけたてられ散々になつて引て入る数万騎の軍勢たゝ一 所に集て柵より外に出も得す只遠矢に射とれやとて三 千挺の鉄炮を一面にたてならへてそはなつたる織田殿 はるかに大久保兄弟か軍するやうを御覧して家康の手 の戦かたきみかたいつれ隙ありとも見へす其中に金の蝶の 羽腰にさしたる浅黄の幟に黒持附たる敵かと見れは 味方に成みかたと見れはかたきになりかたきみかたのさかひ さたかならす誰かある見てまいれと宣ひて徳川殿の 御陣に馳来てかくと申徳川殿きこしめしてあれは家 康か侍蝶の羽は黒餅か兄大久保七郎右衛門忠世黒餅は同 【左丁】 く治右衛門忠佐とて蝶の羽か弟そと仰けれは織田殿此由を 聞玉ひなにみかたと申やさん候と申すあつはれ大剛の 兵かなかれら兄弟に似たらんは信玄か手の者にはいまた 候はぬとそ宣ひけるさる程に馬場美濃守信春織田殿 の陣にむかつて手の者多く打せてひく真田兄弟入か はれは土屋も頓ておしつゝき柵の木引やふつていらんと し皆鉄炮にあたつて死す山縣すてにうたれて後武 田左馬助信豊をさきとして甘利原跡部小幡望月安中 のものとも一勢〳〵入かわり徳川殿と戦てうたるゝ 者数を尽したすかるもの多からす南北のかた