翻刻
【右丁】
《割書:家忠日記植村法印|としるすなり》帯刀泰勝父に継て慶長十八年伏見の
城を守る《割書:井伊掃部頭直次|と共に守れる也》大坂前後の戦に将軍家の先陣
うつて馳向ひ首をきる事十二元和六年大番頭となる
《割書:今領する上総国天神山一万三千石の地泰勝の時に給ひしといふ詳なる|事いまたしらす卒せし年もきかす諸役人系図を見るに大番頭たる》
《割書:事寛永十二年二月にいたる|此頃迄世にありしとなり》其子帯刀康朝正保二年《割書:閏》五月
十九日に大番頭となり寛文三年八月十四日六十歳にて
卒す其子土佐守忠朝寛文八年御書院番頭となり
同九年十二月大番頭にうつれり
【左丁】
安部
摂津守安部信盛は大蔵元真か孫弥一郎信勝か男也
元真か父をは刑部大輔信真とそ申ける父祖代々駿河国の
住人にて今川か家に属す上総介氏真の代に及ひ外舅の
武田か為に駿河国を犯されて府の城をは岡部次郎右衛門
尉正綱安部弥市郎信勝をとゝめ守らせ氏真遠江の国
懸川の城にのかる武田の入道信玄ひそかに元真か許に
使して御方に参るへき由をいひ送り元真返事にも及
はすかくて城に籠らん事叶へからす所領安部谷に引
こもる信玄やすからぬ事におもひ伊川七村の内に