翻刻
【右頁】
【尺八と編笠の図】《割書:天蓋散(てんがいさん)》こむさうの妙薬(めうやく)《割書:忠臣蔵通(ちうしんぐらとをり)|九段目(くだんめ)語(かた)ル町|竹田(たけだ)出雲掾(いづものぜう)製(せいす)》
【本文】
てんがい散(さん)こむ
さうの藥(くすり)は
加古川(かこがは)本草(ほんざう)に
のする處(ところ)の
薬品(やくひん)を撰(ゑら)み
九たんめ雪(ゆき)の
ふるをまつて
これを製(せい)す
第一 尺(しやく)八のね
を出しとな背(せ)
よりむねの
いたみを
おさめお石(いし)
が
【中央会話】
いはゞそなたは
本剤(ほんざい)【(本妻)】の子わし
とはなさぬ中じや
ゆゑ余薬(よやく)にしたかと
おもはれてどう《割書:マア》
さじがあてら
りやう
【左頁】
【本文続き】
のぼせを引下るたとへいかなる
即症(そくしやう)たり共くすり見物(けんぶつ)の胸(むな)へ
おつるとひとしく脉(みやく)のあかつた
小なみの恋(こひ)やみをすくひこん
れい【(婚礼)】のもつれをとゝのふ
こゝをもつて芝居(しばゐ)の
元氣(げんき)をます事 速(すみやか)
なるがゆへに三ヶの津は
申におよばす諸國(しよこく)へ
相弘(あひひろま)り今(いま)もつて繁昌(はんじやう)
いたし候 猶(なを)此度(このたび)役衆(やくしゆ)
ぎんみいたし名人(めいじん)の
かげんをくはへ藝方(げいほう)
ねん入相つとめ申候
其(その)ための功能(こうのう)さやう
【会話文】
かこ川本ざうがいのちしん上
まうさう《割書:コウ》かくごをきはめ
ねへけりやアやぶゐしやにはかゝられねへ