翻刻
【右頁】
【料紙中央に】
百韻
《割書:正風(しやうふう)【(蕉風)】体(てい)万評(まんひやう)【(万病)】によし》
俳諧(はいかい)ばせを膏薬(こうやく)弘所(ひろめどころ)《割書:本家(ほんけ)|荒木田(あらきだ)守武(もりたけ)製(せいす)|芭蕉庵(ばせをあん)桃青(とうせい)調合(てうごう)》
【本文】
ばせをこう薬(やく)の儀(ぎ)は一巻(いちくわん)
百 韻(いん)より御こゝろみ哥仙
三十六句まで調合(てうごう)いたし
進(しんじ)申上候御 附(つけ)なされ候 節(せつ)三
句のわたり第一《割書:ニ》御つけなさる
べく候御 巻(まき)のようだいにより
此方にて高点(こうてん)おろししんじ候
◯此(この)藥(くすり)さし合(あひ)甚(はなはだ)多(おほ)し有増(あらまし)を
しるす
一 同季(どうき)五句 去(さり)てよし
一 居所(きよしよ)水辺(すいへん)山類(さんるい)う【そヵ】へもの
三句さりてよし
一 生類(しやうるい)三句 恋(こひ)五句の間(あいだ)
【中段会話文】
此さんはきめう
によくできた
きよ年さる所
で見たもこの
さんであつた
などゝおさき
まつくらて
ほめてゐる此をとこ
さくしやのまはし
ものかもしれす
【左端会話文】
此をりは月花
をむすびに
いたしてすぐに
べんとうに
いたさう
【左頁】
【本文続き】
いむべし
一 書体(しよてい)火体(くわたい)一句
にて捨(すて)てよし
此外さしあひ
あまたあり
【中段会話文】
しろうとで
羅文子(らぶんし)ぐら
ひする人は
《割書:モウ》てきま
せぬおしゐこと
には古人(こじん)に
なられ
ました
【掛軸】
かたちは桧笠の円きにやつれて
実相無漏の古地を愛しこゝろは
竹杖のほそきをたどりて随縁
真如の新月に嘯く行ふところ
僧にして僧にあらす吟ずる所
哥に似て歌に異なり作麼生か
なら茶三斛をくらはすんば
いかでか俳諧の味ひをしらん
曲亭主人題【落款】