翻刻
【看板風の挿絵あり】
八分地蔵丸(はちぶぢざうぐわん) 再(さい)仝(〳〵)庵(あん)无心老人(むしんらうじん)製法(せいほう)
借金(しやくきん) わきはらの証文(しやうもん)に
とゞこほりてつねに利足(りそく)に
せめられものまへくびの
まはらぬ事ありて難儀(なんぎ)
する人つねに此(この)くすりを
用(もち)ゆればくらしかたの不足(ふそく)を
おぎなひ家内(かない)の元気(げんき)を
益(ます)こと妙(めう)なりそも〳〵八分(はちぶ)
ぢぞう丸(くわん)と名(な)づくることは
むかしさい〳〵庵(あん)無心老人(むしんらうじん)
地蔵(ぢぞう)のかほを三ン度(ど)なでゝ
はちぶされたるより
此(この)くすりせいほうして
銭箱(ぜにばこ)はらをくだして米(こめ)の
めしのくわれぬ症(しやう)にほとこし
こゝろみるに倹薬(けんやく)のしるし
立所(たちところ)にみへて大にしんだいを
ますのきとくあり故(あるかゆへ)に
あまねく薬 弘(ひろ)めて
首(くび)のまはらぬうれ
ひをすくふものなり
但(たゞ)しくすり用ゆる
うちしやつ金(きん)無心(むしん)
しち屋の間をつゝしむべし
質屋(しちや)の内(うち)まけもの【質種】を
もちゆればさらに
けん薬の
しるしなしと
しるべし
【挿絵内・右ページ】
○みそ屋の
はらひが
とゞこほり
まして
いつかう
大べんの
つうじが
ござり
ませぬ
【挿絵内・左ページ】
○よくものをかんがへてみさつしやれ
ぢぞうのかほもさんどゝいふでは
ないかかしてあいそをつかさて
よりかさずにあいそをつかす
ほうがきさまのためになり
ますてや
○くちくひものにおこるから
ながしもとの水がへつてかま
どの火がたかぶりたがるけん
みやく【見脈=外見から見て推察すること】を見れはうちの
ようたいがいはすとしれ申す