翻刻
【右丁】
きに堪る事を遂るの力を得る事能はす
○魚肉もよく鳥獣の肉に次て滋養の分多しといへとも
其質水気多き故に強康の血気を作る事鳥獣の
肉にしかす且消化悪し
○五穀
五穀は皆 穀粉(セツトメール)を含む事多く体【體】中に入て脂肪を
生し血質を補ふ事頗多しといへとも赤血に化る分少し
故に五穀を食すれは能く其性を全し平生の養生に
おいて足らさる所なきか如しといへとも滓垽【埑は誤記】多[く]して
糞尿に化するもの多し五穀を食ふものはよく肥満す
【左丁】
れとも脂肪多くして其体【體】柔弱なり精力強壮なる事を
得す難に堪へ苦を忍ふ力少し
○菜蔬
生菜の類消化よろしからさるもあれとまたよく血中の
諸生分を補ひ血質を清淡ならしむゆゑに毎食に闕
へからさるもの也就中菜葉緑色の物をよしとす諸菜
根中にんしん芋の類消化もよくして且養分を含む
事穀類に同し皆食すへし然れとも菜蔬の類みな
質に筋有は木の質也故にかたきものは消化することなく
烹煮不熟なるものもまたしかりよく心を用うへし