翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

養生法 - 翻刻

養生法 - ページ 25

ページ: 25

翻刻

【右丁】 ○口は実に百病の門にして飲食の過不及食物の善悪に  よりて諸病を導く総【惣】て良き滋養のものを択ひ已に  其腹に飽かは則止むへし一時に多種を交へ食ふ事  なかれ人々其体【體】の強弱と労働の多少にしたかひ  且空腹の時節に応し一日分其宜に適せしむへし  先朝食は其味単簡にして軽きものを良とし昼は  専ら滋味にして養ひ多きものをよしとし哺食は  また簡なるへし夏日暖地に住む人は多く野菜を  食ひ冬日寒地は肉食を多くすへしすへからく能其  時刻【剋】をさためおくへし夜間に遅く食すへからす食 【左丁】  後速かに寐につくへからす熱物は胃腸を傷り消化の機  をさまたく務て冷物を食すへし就中水は飲液中  最第一の天造物にして血の流利を調へ腸胃を清  淨にし能く消化の機を助く但甚しく過飲する事  なかるへし○人食時に臨みて其色味をえらひ或は酒  醸を貪り痛飲止す又放食多餐恒なく妄に甘味  を嗜み湯茶を喫し体【體】躯を養ふ霊物を以て却て  其身をそこなひ終に是か為に病を求め其身を亡  す賎むへく笑ふへきの甚しきにあらすや魚の餌に  よりて釣られ鳥獣も食を求めて陥阱におち入るみな