翻刻!江戸の医療と養生

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養生法 - 翻刻

養生法 - ページ 28

ページ: 28

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【右丁】   停滞して害をなす事眼前也外の穀物もみなしかり  ○菜蔬木の質有ものあしかるへきは勿論也香の物も説の   如しといへとも今これに代るものなししはらく多食を   禁すへし夏日の新漬もの亦心を用ゐて食へし  ○味噌汁といふもの家毎に常食なりかの国になけれは   こゝに説なしといへとも押て考るに麦豆を用て麹を   加へ塩にこめて造り貯れは必胃中にして疾くこなれ   されは腹持よしと称誉すれと麹はもと米をむし花を   咲するとてにびのことき物を出し甘くする故腐れ易し今   これに代るものなけれはいかむともしかたし心をつけて 【左丁】   其害にならさる程をはかるへし又麹納豆甘酒なとみな同   物也としるへし○養生訓に味噌は性和にして腸胃を   補ふ《割書:云々》此説うけかたし其性質を委しくせすして常   食に馴たるを以てかくいへるなるへし  ○餅菓子干菓子共に今時の如きはいにしへに在事を不   聞全く三百年来太平の贅物也追々高尚になり行   此頃製るものは其味も淡薄にしてさのみ胃中 ̄ニ もた   るゝにもあらねは上製なるは少しはゆるく【或は「し」ヵ】もすへしすへて   甘味のものを過食すれは胃腸の収縮力を弱くして必   大成害をなし蚘虫【注】其外諸難病を発る事有とか可恐事也 【注 かいちゅう=腹中に寄生する長い虫。回虫。】