翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

養生法 - 翻刻

養生法 - ページ 29

ページ: 29

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【右丁】  ○菓実の類酸味有もの清涼の功有もあれと熟菓に至   りては甘味多く成行害をなすも有一般には言かたし   栗なとは粉類にして停滞物也又柿の渋多きを酒   樽に込て渋をぬき甘くして食ふ是等直に酸敗し   たるものなり食ふへからす  ○水の事爰に挙るは清浄の井水を言也今江戸の市   中に用うる井水は川水を引たるにて澄るときはよし   といへともやゝもすれは濁り又水上に汚物も流れ来る也   又所によりて堀立る井水も水近きは井戸側の外に腐   たる水なと流れこむも有これらもよしとして多くのまは 【左丁】   害有へし呑水は井をえらひ用うへし養生訓にも此事は言り  ○茶もまた一般によしとはいひかたし宇治の茶製を見るに末   茶はいふもさらにて折物なとの上茶はいかにも清浄にして   深切に精製するもの也下茶の晩茶といふに至りては飼葉に   ひとしく道端の土間にならへ出して馬のいはりも散かゝ   るさまなりこれらの下茶は心すへし又最上の茶は芽出   し葉のみにしてテイネ(━━━━━━)の質多しといふへしこれか為に   精神を衝動しいぬる事あたはすされと茶には酒の   如き精神を狂迷する害なしといへは不寐にして精   神のつかるゝのみなりよりて又余り最上の茶は害あり