翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

養生法 - 翻刻

養生法 - ページ 30

ページ: 30

翻刻

【右丁】   とすへし○養生訓に茶は冷物なりとて上けたる説有害   有と言は同意なから茶の性質の論はあたらす  ○酒の事よしといはむ所なしされと禁しかたけれは上酒は   いさゝかゆるすへし成たけ冷酒をのみ習ふへし熱酒は   ことに害有といふ今時通例の酒は灰汁を以てなほし   たるか多しこれらは心してのむへからす中汲【注】なと尤害有  ○養生訓に冷酒は痰を集め胃を損ふといへるは非なり   丹渓か冷酒をよしといへるそあたれるなり 【左丁】   ○煙草  煙草は其質を委しく論すれは害のみにして良とすへき  所なしされと今世界中追々盛に成て貴賎に限らす好  嗜し馴たるもの其害なきかことくなれと馴さるものは眼前  に瞑眩し咳嗽を発し口舌を焦し又胃の気を弱くす  る事著し煙草に種々有嗅きたはことて粉末にして  嗅くもの有嗔【噛の誤記ヵ】み煙草とて口に入て直ちに其葉を喫るもの  あり又煙管もて只其煙を吸ふもの有則我国の刻煙  草西洋人の巻煙草なと此類也西洋人の煙草をふく  をみるに皆只煙りを口に入て是を吹出すのみ我国人 【注 なかくみ=濁り酒(どぶろく)の一種。上澄みと沈殿(よどみ)との中間を汲み取った下等の酒。】