翻刻
【右丁】
するの間は害あり其身いまた全からさるに其後を造るの
理なし老人もまたしかり其身日々消耗するものこれに
かふるに房事を以てすれは精力を失ふ事必多し中
年壮健の人といへとも其度に過て多けれは神力を耗
し思慮を薄くし体もまた衰へて動作する事か
たししかのみならすこれか為に人倫の大義をうしな
ひ家を破り身を亡すにいたる
○房事に就て一事有楳毒の原はみな房事
よりおこる下賎のもの百人の中九十五人は楳毒
にかゝらさるものなし是其原花街売色に制な
【左丁】
き故也西洋諸国楳毒を恐れて花街を破却せる事
あり其時却て楳毒の病人増れり是房事は天性
の人欲なる故花街なけれは窃に売色するもの多く
其もとしるへからさるゆゑなり依て其後公に花街を
まし毎所厳重に守衛を設け法を立て楳毒病
院を建て毎一週匿官をして総【惣】売女を密に改め
少も毒に感する婦人は直に病院に入て治療を加
へ治して後出して元に帰らしむ其故に楳毒いまた
劇毒に至らすして速に治し花街毒原を掃除
する事を得て大 ̄ニ楳毒の患者減せりと《割書:云々》○楳毒は