翻刻
【右丁】
機みなよく奮起し臓府餌養の輸送も従てさかんに
汗尿去滓の作用又いよ〳〵多か故滞留の汚物なく
諸器皆新鮮良好を得筋肉肥堅骨格長大よく百害に
堪へ少しの病原も病ましむる事能はさるに至る運動
の人身に益有事かくのことしすへて座して事を操
り業を為すものといへとも殊に早暁の間外気中行走
労作すれは新鮮清涼の空気を以て血液を清浄に
し百体を補理すへし故に体中の機みなよく盛に活
発し飲食消化尿屎の通利等各其所を得る也実に
養生法中に運動を以て最至要の事とすへし
【左丁】
○豊城云運動の事は本文の説の如く今時力士とも角力とり
土俵をつりて胸をうたせ頭耳をうちかたむ手足は
いふもさらなりさてやらかくにして力士の並に入る
すへて武芸に心さす人身をかため息をたもつも皆
ならひによるひとり文事にかゝる人とかく机上をはな
れす運動かひなきゆゑ病身なるか多しいかにも
運動は心かくへし近世蝦夷の国々ひらけ行て空
太島にも越年する事に至るこゝに越年する人大
やけより建給りて越年家と云は魯西亜国なとの如く
防寒を助る家造り也こゝに火を貯て在といへとも