翻刻!江戸の医療と養生

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養生法 - 翻刻

養生法 - ページ 50

ページ: 50

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【右丁】 一食物は夏は淡薄の品よろしく冬は脂油質の物をよしとす 一食物に筋肉を養ふ性の物有又力を増神気を助るもの有  砂糖と脂油多き物と唐もろこしさつまいもの類は肉をまし身  体を熅煖にす脂少き肉類乳汁小麦粉の類は力を増神  気を助く酒は用量によりて両様の効を致す過酒は大害のみ 一食料に米を主とする国人と小麦を主とし肉食する国人とくらへ  みれは米を主する国人は肉少骨細きもの也と亜医の物語也 かく言り今我国大やけより給る扶持米一人に一日玄米五合 《割書:凡玄米五合|掛目二百目》宛しらけて【注】は一割も其余も減すへし家僕なとはこれを 三度に食す朝はみそ汁に漬物昼は一菜に漬物夕は漬物のみ 【左丁】 添ふる事通例なりされと一家の主人はいふもさらにて所業の 強弱所作の動静によりてかくのみも定めかたし只軍陣の時 兵粮の料むかしはいかゝ有しやしらす海軍の事はきかねと此頃 常州に悪者徒党したるを征伐に出立し人々にきくに白米 の握り飯を三度とも給りたるよし菜といふものは梅干味噌つ け物なとなれと人々望み好むものは食したりと言さるは今時 の人平食に馴たる飯たにあれはかくても事足るべしされと 其実に山中に在る時は肉を重とし海辺にあらは魚鳥をも くらひ五穀のうちはいふ迄もなく野菜にも木草の類にも 餌食になるものは備へおかまほしき事也かの肉食をいむ 【注 しらげる=玄米をつき糠を除いて白くする。精米する。】