翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

養生法 - 翻刻

養生法 - ページ 51

ページ: 51

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【右丁】 事今人の常となりて軍陣に出立兵士といへとも心よしとせ さるもあるへしよりて再ひまたさとさむ孟子に鶏豚狗彘 の畜その時を失ふ事なくは七十者可以食肉とある事は 童子も知る所にて唐には尊み用うる事いふ迄もなし我国 にも前にいつることく古語拾遺に御年の神の御子田人の 牛肉【注】を食ふをみそなはしてうらやみ給へるより御年の神 いかり給て蝗を其田に放ち給へは苗葉忽枯損したるを 謝し奉りて肉を備へて祭りしにより年ゆたかにさかえぬ今 神祇官に白猪白馬白鶏を以て御年の神を祭るゆゑむ也 としるされたり日本紀には佐伯氏か仁徳天皇に奉らんと 【左丁】 て兎我野の鹿を射しをみかとの此ころ夜毎に御物おもひ ありけるをとかのゝ鹿のねになくさめ給へるには鹿なかすと て御心にかゝりしをりなれは此事をあはれみ給ひて佐伯氏 を遠さけ給へると云り後に火串さして鹿を射るもみな食 料の為なる事明らか也といへれは又或人云ある雑書に 天武天皇四年令天下始禁獣食自非餌病不許輒【輙は俗字】噉世 因謂曰薬食と引書したるを見たりさる事ありやとなり そは何によりて書しか正しき書には見えすよししからん にもせよ既に薬食としてゆるすと云其後いくほとなき延喜 式に御歯かための供御に奉る事をしるされたるをみれはさる 【注 字面は「完」だが肉の意は無し。おそらく「宍」の誤字と思われる。また「宍」は「肉」の譌字、俗字であるので「肉」とす。】