翻刻
【右丁】
さらに開けざる程にして只漢土聖賢の語又漢医許多の
書により己か身に覚えたる養生法を以て説るなれは今日
の目に見てはいと幼く聞えかたくうけかたき事多しされと
大かたの説は主用すへき事有捨へきにあらす其あたれ
ると違たるとは其所にいふへし又此書中のケ条の外にも
種々の説あれとそを一々論判すれは只其書の非を挙る
に似れはいつれにても障なきは其侭おけりよむ人其書を
見て参考して善をとるへし惣て養生法は病の不発先
にあらかしめ防くへき為にて人々うけ得たる天寿を
自然にまかせて健にをはりを全うすへきをしへなり
【左丁】
○住所家室
○夫住所は高くして能く乾き汚穢不浄ならさる所をえらひ
普く空気の達するを要とす故に居室を作るにはこゝに
心を用うへし今荒増【あらまし】に其要をしめす
○床下はつとめて高きをよしとす但床下に湿気なからむ
事を欲す故に風の通路を開きおくへし但床下のつらを
堀のそき厚さ二尺はかり乾きたる砂を容れは殊に良なり
其外雨水なと溜らさるやうに心付へし《割書:◦レウマチス◦風疾◦𤻗瘡|◦脚気のこときもの湿気》
《割書:より生る事|多し》
○居間寝所は殊に高くすへし空気と明りを通し東南は