翻刻
【右丁】
血色あしゝ欝閉し易し《割書:◦萎黄病◦神経病等を生し又眼気おとろへ|内障を発しやすし人の死るも生るゝも大凡夜中》
《割書:に多し蓋日光の|所為にあるか》畳は第一塵芥を蔵し其下不浄なる
事多くともしは〳〵掃除しかたし蚤虱を生し
もろ〳〵のよこれものを吸ひ込他日にこれを蒸発し人
の呼吸に入れ大に諸病の根原となるもの也故に板の間に
して敷物を用ゐ毎坐列に円座を設けおくを良とす
○寝所は板張にして臥床を作り其上に臥すへし足にふむ
所に臥すは甚忌むへき事也しかのみならす畳の上に臥すは
よこれたる芥の上に臥にことならす殊に病人は万病皆清浄
なるをよしとするを以ていかやうにも臥床を作りて臥さし
【左丁】
むへきなり
○厠は我国と西洋の制造いたく異なれはいふへくもあらす只
嗅気のもれさるをむねとし殊に清浄ならしめたひ〳〵掃
除して尿屎の溜らさるを要とすへし糞屎は最不浄な
れとも人の毒となる事少し農家には軒下に屎桶を
おき稼作の肥とするに嗅気の堪へかたきも害となら
す田家の人民壮健にて其為に病を生する事をきかす
只尿は日を経て腐敗すれは種々の悪気を蒸散しこれか
為に疫病を発し金瘡なと膿潰さる事多し尿器
の不浄は側近くおくへからす