翻刻
其子姓陪臣の子弟等をして國學に入らしむ太
租よろこひ給ひて其禮遇山南山北にこへすく
れて閩人のよく船を操者三十六姓を賜はりて
其往來に■【人扁に㪅】し給ひ二年ことに一たひ朝貢し船
ことに百人多しとも百五十人に過へからすと
定めらる福建南臺の外に番使館を設て其使を
待たる《割書:朝貢の使の朝を拝する等の義|事長けれはしかるに及はす》その貢物
は 馬 硫黃 蘇木 胡椒 螺殼 海巴 生
紅 銅 牛皮 摺子扇刀(ヲリアフキ) 錫 瑪瑙 摩刀石
烏木 降香 木香 其中硫黃螺殼海巴牛皮
摩刀石は其國の產物にて蘇木胡椒等は歲歲暹
羅日本より易る所にて摺子扇はすなはち日本
の扇也《割書:按するに蘇木胡椒は我國の物にあらす|日本より易るといふ事はあやまれり日》
《割書:本の扇の事は古より彼|國にて申傳へる所也》景帝の景泰元年《割書:本朝後|花園院》
《割書:寶徳二|年也》中山王尚思達か代に至りて山南山北を
併せて使をまいらせて朝貢す《割書:此説あやまれる|か山南山北を併》
《割書:せしは尚巴志か事の由琉球の人は申す|也此事の詳なる事は下の條に見へたり》此後凡
三年に一たひ朝貢して貢使百五十人に過へか
らすと定めらる神宗萬曆元年《割書:本朝正親町|院天正元年》琉球
册封使蕭崇業謝杰等還て其國に日本館ありて
日本の人數百人利刀を執りて往來す其國人の
心愼み懾るる懾よしを奏す《割書:中山王尚永嗣|封の年の事也》同十七
年《割書:天正十|七年也》日本國平秀吉ことことく六十六州の
地を併せて中山の世子尚寧を招く尚寧關白に