翻刻
歸りて其由を申す尚寧ゆるさす此僧つゐに自
縊れ死す日本の使歸りてかくと申けれは關白
大きに怒りて北山の地を以て我にあたふる事
なからんにはいかてか我銀をは受ぬへきとて
毎年の利として銀四千兩をはたりせむ尚寧や
む事を得すして其銀を倍して還す《割書:按するに此|事は本朝文》
《割書:禄元年秀吉筑紫の名古屋に陳して兵を遣して|朝鮮の兩都を打敗られし時の事也此頃琉球の》
《割書:使關白の陳に來たりし事なし思ふに是等の事|共皆薩摩の國守の事を申せしことに似たり》
同二十一年《割書:文禄|二年》また僧建羞等を使して日本に
遣す關白其僧をとゝめて返さす新納(ニイロ)といふ者
を琉球に遣して萬人の兵の三年の糧を載て朝
鮮に至るへき事をもとむ琉球もとより國小し
く民困みて其糧を出すへき所なく同二十二年
《割書:文禄|三年》使の僧を日本に遣して其由を陳謝す《割書:此事|もま》
《割書:た薩摩の國守の事を以て關白にしるすに似た|り新納はさるはちさつまの國守の家徒なり》
同三十二年《割書:慶長|九年》琉球冊封使夏子陽還り て其國
に住する所の日本人すてに千人にちかし其國
必日本に併せらるへしと奏す《割書:世子尚寧冊封の|事朝鮮の軍事に》
《割書:よりて果されす此年はし|めて中山王に封せらる》同三十七年其國王果
して薩摩の國のために執へらる《割書:慶長十四年の|事也尚寧薩摩》
《割書:に在る事三年に|して本國に歸る》同四十年十一月尚寧使をして
再たひ朝貢を修し歸國の事を奏す福建の巡撿
丁繼嗣奏して日本の將琉球をして互市を請し
《割書:たがひにあきなふ》
む琉球既に日本のために併せられ其貢物は忽