琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

骨董録 - 翻刻

骨董録 - ページ 44

ページ: 44

翻刻

始とし二女を内侍の始とす民俗淳朴にして神 因りてあらはる是を君眞物と稱す《割書:慶長年中本|朝の僧彼國》 《割書:にありて其国土の事を記せシ書を按するに此|國のはしめ一男一女化生す其男をシネリキユ》 《割書:といひ其女をアマミキユとイフ此時其島小に|して波にたゝよへりタシカといふ木の生し出》 《割書:しを植て山の體としてシキユといふ草を植へ|又アタンといふ木を植て漸に國の體となしつ》 《割書:ゐに三子を生す一子は所所の主の始なり二子|は祝の始なり三子は土民の始なり其國に火な》 《割書:かりしに龍宮より求得て其國成就し人物を生|して守護の神あらはるこれをキンマモンと稱》 《割書:す其神に陰陽あり天より下るをキライカナイ|ノキンマモンといひ海より上るをオボツカク》 《割書:ヲクノキンマモンといふ毎月に出現して託女|に託して所所の拝林(オカミハヤシ)にあそふ其託女三十三人》 《割書:は皆王家也王妃もまた其一人也國中の託女は|其數をしらす其神もし怒る時は國人腕折爪折》 《割書:して是を拝慰む其俗にて嶽嶽浦浦の大石大樹|ことことく皆神にあかめ祭る又七年に一回の》 《割書:あら神十二年のあら神ありて遠國諸島一時に|出現すあら神の出現をキミテスリといふその》 《割書:出へき前に其年の八九月の間にアタリといふ|ものあらはる其山をアヲリ嶽といふ五色あさ》 《割書:やかにして種種の荘嚴ありて三つの嶽に三本|あらはる其大さ一山をおほひ盡す其十月に至》 《割書:て神必出託女王臣おの〳〵鼓うち歌うたひて|神をむかふ王宮の庭を以て神の至る所とし𠎃》 《割書:三十餘をたつ其𠎃の大なる事高さ七八丈その|輪十尋餘小きなるものは一丈はかり又山神時》 《割書:ありて現はる其數多くあらはるる事あり又す|くなき事あり其面は明ならす袖の長きものを》 《割書:著すその衣裳たちまち變して或は錦繡の如く|或は麻衣のことく二人の童を從ふ二郎五郎(ジラゴラ)と》 《割書:いふ其衣裳は日本の製のことくにして小袖に|上袴也神いかなる事ありと見へて童を𩋸打事》 《割書:あり童の啼聲犬のことく又ヲウチキウといふ|海神現るヽ事あり其丈は一丈はかりなして陰》 《割書:嚢殊に大きけれは裩を結ひて肩にかく是等の|神の現はれし事正しく見たりし事の由しるせ》 《割書:り其國の人の君眞物としるしたるはこれらの|神の事也と見へたり猶事の子細はよくよく尋》 《割書:ぬへし此外伊勢熊野八幡天滿宮のことき|本朝の神を祭りし社ともおほしといふ》天孫 氏代を相嗣く事とも一萬八百餘年其德おとろへ