翻刻
《割書:使の別棺二つを作りて船にのす其棺の前に天|朝使臣の柩といふ字をきさみて又銀の牌を釘》
《割書:にてうつこれは福州より彼國に行く海路殊の|外に險なれば風波の難のかれかたき時に册使》
《割書:おの〳〵其柩に入りて釘にて打をき船くつか|へりいつれの地にも流れよらんにその所の人》
《割書:此銀をとりて棺をすて置かんにその後の使其|棺をもとめて載歸るへきためなりされは此使》
《割書:にあてられし人還て後に海路の事を申にきく|人皆皆事故なく還れる事を慶賀せすといふ事》
《割書:なし是によりて彼國に使をつかはされん事無|益也只其國の使來れるものに詔書をわたしつ》
《割書:かはさるへしといさめ申せし事ありしかれと|もすてに代代の例となりし事なれは其事をと》
《割書:とめられかた|しと見へたり》今大淸の代となりし以後其使官
の記載いまた傳はらす《割書:但し琉球の人の申す所|を併せ按するに明の代》
《割書:の例に大きにたか|ひし事とも聞ゑす》又進貢使の例大明の例其進
見辭見皇太子并に宰臣に參見の儀その餘藩國
使臣の例に相同しく而又其儀注事長けれは是
【左頁】
を略す只今大淸の代に至りて其國進貢の例前
代の時に同しからさる事も有か《割書:大明の時は三|年一貢なり今》
《割書:は毎年一貢|なりといふ》閩廣の人に尋問しに其答所のもの
に見へし所は琉球國大淸に貢する事福州より
入る一年を全貢といふ其船二艘次年を折貢と
いふ其船一艘來る事は冬至を期とし去る事は
端午を期とす琉球館を福州に設てこれをまつ
其貢官は二員正使は耳目官といひ副使は大夫
といふ其使至る時は福建承宣使司より轎傘執
事等を以て是をむかへ筵を設け通船の人こと
ことく宴賞ある事其差あり其貢物は匹頭(タンモノ)漆器
銅器海味土産の類也十二月に京師に進す唐官