翻刻
りそれらは皆皆外國より來れる所なるへ
し倭國の銅これを始とすれは年號も和銅
とは改らる倭和相通して用ゆ
一聖武天平二十一年三月陸奥國より黄金を貢
す
人皇より四十五代暦數千四百九年を經て
我國の黃金は始て出たりこれより先にも
本朝にて黃金を用ひられし事とも見へた
れともみな〳〵外國より來れる所なり此
時大佛の像を造られしにこれを裝るへき
料の黃金なけれは異朝に求られしに陸奥
國より始て黃金を九百兩貢せしかは悦は
せ給ふ事限りなくやかて年號を天平勝寶
とは改られたり延喜式にも陸與國より毎
年砂金三百五十兩つゝ貢せしとあるは世
に奧州の貢金といひしもの也其後後白河
の項まて此貢金をまいらせし也
一延喜式に下野國より毎年砂金百五十兩練金
八十四兩つゝ貢せし由見ゆ此國より金出し
始は未詳にせす
謹按本朝國ひらけし初より千餘年を經て
我國の金銀銅始て出て天地の大寶を秘す
る事と又其代の材用とほしかりし事をお
もひはかるへき事かそれより後我國の金