琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

骨董録 - 翻刻

骨董録 - ページ 55

ページ: 55

翻刻

  銀出すといへとも年ことに出す所の數す   くなきを以て國用のゆたかならさる事も   またおもひはかるへし 一佐渡國には黃金ある由宇治大納言物語に見  えたりされは此國には昔よりありしかと世  に是を採るすへをしらさる也近き頃ほひ上  杉謙信入道彼國を攻取りしより後其金を採  りて國用を足す太閤秀吉かねてより此事を  傳へ聞て代をしられし後に謙信の義子中納  言景勝を欺て奧州に移し佐渡國をおしとり  て金を採らせられしかと金出すしてほとな  く薨せられたり慶長五年關个原の事終りし  明る年より此國の銀出る事おひたゝしとも  いふはかりなしかゝる事は我國のいにしへ  より傳聞さる所なり同十三年の頃より銀出  る事はしめのことくにはあらすこれより年  年にすくなくなりて或は又黃金もましえ出  たり 一石見國より黃金を出せる事其始をしらす是  も始は出る事多からす慶長六七年の間より  出る事多くなれり程なく此國の金を採るを  は止められき 一伊豆國より黃金白銀を出す此國より出し事  も聞えす是も慶長十一年の頃より出て其數