翻刻
一慶長の初より今年に至りて對馬國より朝鮮
へ入りし金銀の數いくらといふ事を詳かに
すへからす《割書:これ|八つ 》
一いにしへより今に至て薩摩國より琉球へ入
る金銀の數いくらといふ事を詳にすへから
す《割書:これ|九つ 》
右九條の事はいつれも詳にすへからす《割書:こ|れ》
《割書:ら某か愚なるか心付し|所也此外にも有へし》此九條の外に長崎
一所より外所へ入りし金銀銅の大數まつ
しれし所左のことし
一金二百三十九萬七千百兩餘《割書:正保五年より|寶永五年まて》
《割書:凡六十一年の間に外|國へ入りし大數也》
一銀三十七萬四千二百九貫目《割書:正保五年より寶|永五年まてとも六》
《割書: 十一年間に外國|へ入りし大數也》
一銅一億一萬一千四百四十九萬八千七百斤餘
《割書:寛文三年より寶永五年まて凡三十六年か間|外國へ入りし所なり但し銀は慶長六年より》
《割書:寛文二年まて凡六十一年か|間の事分明ならすといふ也》
謹按するに長崎一所より外國に入りし所
六十一年か間の大數も右のことしまして
や前にしるせし所のはかりしるへからさ
る九條の大數おもひやるへし今暫く法を
立て長﨑一所にて六十一年か間に外國へ
入りし大數を以てかのはかり知るへから
ぬ九條の大數を推し量るに