琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

骨董録 - 翻刻

骨董録 - ページ 64

ページ: 64

翻刻

代を經て次第に金銀すくなくなりしほとに宋 の世の中頃より交鈔といひて我國の紙錢のこ とくなるものを用ひて國用を通する事になり て元朝に至ては專ら此交鈔はかりを通し用ひ 明朝に及て銅錢を以て交鈔に雜え用ひて今に 至れり是漢の代より後には金銀銅共に世に出 る事多からぬ故なりされは彼國代代の人の論 せし所は金銀の天地の間に生するこれを人に たとふれは骨のことし其餘の寶貨は皆皆血肉 皮毛のことく也血肉皮毛は傷れきすつけとも 又又生するものなり《割書:米穀布帛をはしめてもろ|もろの器物等皆然なり》 骨のこときは一たひ折れ損してぬけ出ぬれは 二たひ生するといふ事なし金銀は天地の骨也 《割書:五行のうち木火土水は|血肉皮也金は骨なり》是を採る後には二たひ 生するの理なし是を以て上古より漢の世に至 るまて採得し後中國の金銀ふたゝひ生する理 なしといへり又漢の代さはかり多かりし金銀 の後の代に及てうせ果し事は五胡五代遼金元 の代代の亂に夷狄の地にとり行また海外諸國 の商賣の爲にうせたり《割書:我國の昔より寛永の頃|まて六十餘州の中にて》 《割書:用ひし銅錢は皆皆異朝の錢なり日本一州に取|來りしはかりもおひたたしき事なりまして萬》 《割書:國に取ゆきし事|おしはかるへし》次には佛事興れるによれりと 申傳へたり《割書:是は異朝にてもよのつねの事に金|銀の簿なと多く用ゆる事もなく又》 《割書:殿閣等を飾るとても金銀をちりはむる事希也|佛像を造り佛殿佛閣等をつくるにはおひたた》