琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

骨董録 - 翻刻

骨董録 - ページ 65

ページ: 65

翻刻

《割書:しき金銀を費|するゆへなり》是等の論によりて我國る事を考 るに此國ひらけ始しより後千餘年か間は金銀 銅出る事もなくそれらの世にも代はゆたかに おさまれきその後是等の寶貨我國に出しかと 其數はすくなかりし事また千年に及へり我 神祖の起給ふに至て天地も其功をたすけさせ 給ひしとみへて我國の金銀銅の出し事我國の 事はさて置ぬ萬國の中にかゝるためしをきか すしかりとはいへとも我國土の骨一たひ出て ぬれは二たひ生すへからさるの理なり此後千 萬年を經るとも 神祖の御時のことくに金銀 銅の多く出る事あるへからす《割書:漢の代より後の|事を以ておしは》 《割書:かるへき|ものなり》然るにそれより後百餘年か間外國に 流入れし所の數彼五胡五代遼金元の代代にと ほしき中國の金銀を夷狄も地にとり行し數に くらふれは猶萬萬多かるへしかくて此後も今 迄の事のことく毎年に十四五萬兩を失ひなは 十年にして百四五十萬兩をうしなひ百年にし て千四五百萬兩をうしなふへし 神祖より 當代に及はせ給ひて既に百年に及ひぬれはこ れより後又百年をすくるとも四五世の御ほと には過へからすされは 聖子神孫十世二十世 の御のちには我國にて用ひ給ふへき金銀銅と ほしき事彼異朝の事のことくなるへし我國の